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都道府県の名産品

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物産展に並ぶ各地の名産品

デパートで開催されている物産展が好きです。通信販売があたりまえのいまでも、手に取ってその土地を感じることのできる物産展が大好きです。なぜだかデパートの7階とか8階とか上の方でやっている物産展、試食すると買わないといけないじゃないかと思って買うと決めてから試食する物産展、値札を見てついついネットでも値段を調べてしまう物産展、たまに大きな駅の構内で行われている物産展、買ったものが近所のスーパーにも置いてあった時のがっかり感が半端ない物産展、そんな物産展が大好きです。この物産展に並んでいるもののほとんどが、各地の名産品と呼ばれるものです。この名産品と地理はとてもとても関係が深いのです。
そもそも名産品というのは、その土地の風土や気候、伝統などをいかした物品のことを言います。なので、それぞれの土地で目にする名産品は、その土地だからこそ生まれた訳ありの物品なのです。

名産品は自然環境が大きく影響している

例えば富山県の「ホタルイカ」おいしいですよね。春が来ましたよね。浜ゆでも、沖漬けもおいしいですし、アヒージョやパスタにしても最高、干しホタルイカをさっと炙って、ちょいと七味マヨを置いておけば、1分もしないうちに、おじさんが釣れます。そんな富山のホタルイカは、富山の自然環境が関係しているのです。
ホタルイカの獲れる富山湾は海底が1000mもあり、立山連峰をはじめとした標高3,000m級の山々までの急峻さでは世界的にも類を見ない、ダイナミックな地形です。この「高低差4,000m」の地形海底の自然環境が、富山のホタルイカが名産になっている秘密なのです。
スーパーなどで当たり前に買えてしまうホタルイカですが、獲れる土地も限られていて、まさに名産品といえるのではないでしょうか。

名産品へと進化していく

新潟県、燕三条のスプーンやフォークや包丁、洋食器は世界からも人気のある品ですが、これも地理的な条件が重なって、名産品へと進化していきました。
米所であった燕三条は信濃川のたび重なる氾濫に悩まされており、農業以外の生業が必要とされていました。そこで豊富な鉱物資源を利用して「和釘」作りが行われるようになりました。この「和釘」の技術が大工道具→ヤスリ→キセル→洋食器へと姿を変えていき、いまの燕三条の名産品へと進化していったのです。
逆境と時代の変化に柔軟に対応してたどり着いた名産品!ちなみに燕三条はラーメンも有名なのですが、このラーメンも職人さんへの出前がきっかけで、根強く土地の名産へと展開していったそうです。

名産品の背景を知っておいしくいただこう

こうして書いていくと、堅めの地理授業のようですが、名産品の背景を少し知ると、さらにおいしくありがたく名産品を楽しめちゃうよ!っていうことです!
ライトに気になることだと
「青森のリンゴはアメリカの宣教師さんが持ち込んだのが始まり!」
「静岡市のプラモデルは徳川家康が職人さんを集めたから!」
「水戸の納豆が有名になったのは水戸鉄道の売店で売り始めたから!」
なんていう「えっ!?そこからどうなるの?」な理由の名産品もあります。
調べていくと「なんで?どうして?」って思うものがたくさんあります。こう思い始めるのが地理への第一歩かもしれません。

福岡でどうして「辛子明太子」が名産なの?明太子はスケソウダラの卵で、スケソウダラは日本だと北海道で獲れて、福岡では獲れないのに、どうして?
そもそもスケソウダラの子なのに「明太子」ってなんで?
なんで?なんで?なんで?疑問がたくさん出てきます。
その謎は福岡に近い国、韓国に由来があり、スケソウダラの子を辛く調理する料理にヒントを得て作ったもので、スケソウダラの事を韓国では「明太(ミョンテ)」と書くことから「明太子」になったのです。
福岡と韓国は文化の交流が古くからありました。これも地理的要因が深く関わっています。
ちなみにカリブ海に浮かぶ諸島の「グレナダ」の国旗には国の名産品が書かれています。その名産品とはハンバーグのスパイスでおなじみ「ナツメグ」ナツメグはグレナダにとって、経済を支える大事な名産品ということで国旗に描かれているのです。
地理から名産品を知って、よりおいしく興味深く楽しんでみましょう!

にほんちずシリーズ
都道府県の名産品・祭と名所、人物がイラストでわかるシリーズ

筆者:小林知之
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